消毒薬には、次亜塩素酸ナトリウムやジクロルイソシアヌール酸ナトリウム顆粒が使われる。金属製小物にはグルタラールなどが適す。アルコールも使用可能。 また、加熱消毒では、安全マージンを加えた60℃、60分の加熱が使われる。煮沸消毒でも、5分は必要となる。 ガンマ線照射12KGy~12.7KGy (1.2×106 rad~1.27×106 rad)や紫外線照射でも消毒可能だが、紫外線照射の場合は有機物に取り込まれているエボラウイルスを不活性化できない。
以上 wikipediaより

注:ジクロルイソシアヌール酸ナトリウムは次亜塩素酸ナトリウムとほぼ同等の殺菌作用、抗微生物スペクトルを持つ次亜塩素酸系消毒薬である。


理容店fujii/複合消毒システムに当てはめてみる。


まず、理容室fujiiで実施されている複合消毒システムで使用する500ppmの弱酸性次亜塩素酸水のフィリオ30はEHFの現場でも使用されている次亜塩素酸ナトリウムの約80倍の不活性化力を持っています。EHFの原因でもあるEbolavirusはHBVやHIVと同じくタンパク質で形成されているエンベロープ構造です。次亜塩素酸ナトリウムの主成分である次亜塩素酸イオンは、この外側のエンベロープの表面に酸化作用し変質させて不活性化させます。フィリオ30の主成分である次亜塩素酸は、エンベロープ層を通過して中核部で、ラジカル反応という爆発的な酸化作用を引き起こし変質させて不活性化させるのです。
 
北里環境大学におけるフィリオ30のテストでは、Ebolavirusと同じくエンベロープ構造のHBV(代替ウイルスHCV)は30秒で不活性化させています。また現状に近い血液負荷させた芽胞をもった菌(枯草菌)では、グルタラールは浸漬五分以上経過しても効果が認められないのに対して、フィリオ30は浸漬1分で殺芽胞効果が認めらています。
 
これは爆発的な酸化作用で血液などの有機物分解除去、芽胞をもった菌に対しても内部への酸化作用が有効に働いていることになります。よってフィリオ30における洗浄消毒過程は、Ebolavirusに対しても十分に有効だと思われるのです。
 
次亜塩素酸ナトリウムは金属に対して腐食作用を起こすので、Ebolavirusに汚染された金属製小物にはグルタラールとアルコールが適していると、文中にあります。両液共に有機物(タンパク質)を凝固させる事により不活性化させるので、血液などの有機物にウイルスが覆われていると、覆われた有機物に薬液が反応してしまい効果は半減します。
 
特にグルタラールは有機物であるタンパク質の凝固作用が強い為に、ウイルスが有機物に包まれた状態で浸漬してしまうと、周りのタンパク質を凝固させてしまいウイルスは不活性化しません。これは、北里環境大学での血液負荷の芽胞をもった菌での実験でも実証されています。これは「紫外線照射が有機物に取り込まれているエボラウイルスを不活性化できない」の文に一致することからも解ります。さらに、外側を固められ殻に包まれた様な状態で消毒容器内に存在させてしまうと、消毒溶液内での二次感染リスクもあると考えても良いのです。
 
つまり、グルタラールやアルコールでの薬液処理前の、金属器具のタンパク質洗浄処置が大きな意味を持ちます。
 
フィリオ30の次亜塩素酸は金属にも酸化反応しますが、金属表面に付着する酸化鉄化合物状態にはならない為に、金属器具への影響は少ないので金属製器具への使用も可能です。理容室fujiiでは、鋏などにもエタノールと共に使用しております。
 
また、次亜塩素酸ナトリウム溶液の特徴でもある漂白作用も、フィリオ30においては対象物への噴霧及びティッシュペーバーを使用した浸漬作業によって漂白作用も殆ど認められないので、安心して使用できるのです。通常に浸漬した場合も次亜塩素酸イオンのように長時間作用せずに、ラジカル反応における短時間による爆発的な酸化作用のために金属およひ布類への影響は漂白作用も含めて最小限に抑えられます。
 
つまり、フィリオ30はEbolavirusなどに汚染された金属器具や布類への洗浄消毒処置に十分に使用可能であるといえます。理容室fujiiでは、血液が付着した布類は全てフィリオ30を噴霧した後に分別され、次亜塩素酸ナトリウムで浸漬消毒しております。
 
フィリオ30の主成分の次亜塩素酸は酸化作用後は水と塩素に分解されるために、人体を含む有機物への影響は殆ど有りません。さらに不純物が少ないフィリオ30は万が一体内に取り込まれても安全と言えるのです。
 
Ebolavirusの耐熱性は弱いようなので、金属製の器具などにはHBVやHIVと同じく煮沸が有効と思われます。60度の加熱消毒つまり湿熱による消毒も有効なので、布類などは理容店の蒸し器(流動性蒸気消毒)も有効ですが、第一洗浄消毒で有機物(タンパク質)を除去した状態でないと不活性化は期待できないと思われます。ゆえに理容店における複合消毒システムでは、流動性蒸気消毒はタンパク質洗浄処置後の保管消毒として考えているのです。理容室fujiiの蒸し器内には、洗浄消毒および法定消毒済みのタオルを保管しております。
 
今回、汚染された手袋で触れた汗が目に入り二次感染した事例からも、剃刀ならず鋏や櫛も頭皮や汗などの有機物に触れる以上は汚染対象物(HBVやHIVに関しても同様)として考えます。ですので、シザースバックなと使用している場合は二次感染源になる可能性があると言えます。理容室fujiiでは、そのような事からもシザースバックは使用しておりません。また剃刀などとは別に、御客様毎に道具皿、鋏、櫛、さらにはトリマーも弱酸性次亜塩素酸水・フィリオ30やアルコールで消毒してから使用しております。
 
Ebolavirusなどのウイルスやタンパク質による汚染器具は、家庭用洗剤を希釈した溶液を噴霧して流水洗浄後に、フィリオ30により有機物を除去しEbolavirusなどのウイルスを不活性させ、エタノールや次亜塩素酸ナトリウム溶液への浸漬作業や、煮沸消毒処理により、器具による二次感染は防げると思われます。布類は汚染箇所にフィリオ30を噴霧してから、次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸漬させる工程で二次感染は防げます。


最後に


やはり、理容店での複合消毒システムにおける消毒作業が最前線だという事が実証されます。国によって定められている理美容店における法定消毒法と、フィリオ30を使用した洗浄消毒との複合消毒システムは二次感染を防げると思います。ただし、あくまでも消毒システムにおける考察であり、業務全体として考える事はインフルエンザと同様に、あきらかに体調を崩されている御客様にはご帰宅して頂く事になります。医療機関ではないので、発熱された状態で来店する事は考えづらいと思います。現時点では、EHFは発熱などの症状がでる前の感染は認められておりません。やはり冷静な対応が求められます。なお、理容室fujiiで使用しているフィリオ30自体はEbolavirusに対しての臨床データなどはありませんので、あくまでも仮定とした考察という事を御理解ください。でも、かなり信頼性は高いと思います。
 
なお、この中における弱酸性次亜塩素酸水とは「HBV(代替ウイルスHCV)」「血液負荷の芽胞をもつ菌」「血液(タンパク質)除去」の第三機関による製品検証データがあるフィリオ30を指すものであり、他の製品を示す内容では御座いません。

埼玉県 理容室fujii 藤井実